野球場への次の一歩2005年10月25日 20:57

本日付 San Jose Mercury News 1B面 "Taking another step toward ballpark site"

メジャーリーグ オークランド アスレチックスは本拠地を移ることを検討している。

現在のアスレチックスの本拠地マカフィーコロシアムはアメリカンフットボールのオークランドレイダースとの共有スタジアムで、近くスタジアムのレンタル契約が切れるのに伴い、野球専用スタジアムに移りたいと考えているのだ。

そこにサンノゼ市がしゃしゃり出てきて、「野球専用スタジアムを作るからこちらに来ませんか」とオファーを出しているのだ。

本日の記事によると、野球場建設候補地はサンノゼ市中心街より数キロ東側、具体的にはMontgomery StとPark Ave.の交差点の北側で、今は使っていないテレビ局のスタジオなどがある場所だ。同じ敷地内にはPG&Eの変電所もあり、これは移設する必要がある。その移設の調査費用としてサンノゼ市は25000ドルをPG&Eに支払った、というのがニュースの内容だ。

こんな場所にしか建設に適当なところはないのかなあ、と思う。それよりもそもそもアスレチックスを呼ぶことの是非についてはどうなのだろうか?もっとも、今年度の市長による施政方針演説で、アスレチックスの誘致実現が重点項目にあげられており、市をあげてこれに取り組んでいるようだ。

サンノゼにはメジャースポーツとして、アイスホッケーのシャークスとサッカーのアースクエークスが本拠を置いている。しかし観客の伸び悩みなどでこの両チームともサンノゼを離れようと計画している。プロスポーツとしてアイスホッケーもサッカーも、どちらかと言えばマイナーな部類に入るし、経営に苦労しているのはサンノゼの両チームだけではないのだが。

ただどうもこれまでの動きを見ていると、サンノゼとしてもこれらマイナースポーツチームを抱えているよりも、野球のようなメジャースポーツを持った方が経済効果が高いと、浮気心を抱いているようだ。

しかしながらアスレチックスがサンノゼに来るのは実は施設以外にも問題がある。

アスレチックスがオークランドに本拠を置くに当たって、サンフランシスコ ジャイアンツと野球協約を交わしていて、それぞれの縄張りをしていたのだ。そしてサンノゼはサンフランシスコ ジャイアンツの縄張りに入っている。

これがどのように解決できるのかは不明だが、サンノゼ市当局は楽観視しているようだ。少なくとも、アスレチックスは遅かれ早かれオークランドを出て行くと見ているようだ。

メジャーの試合をより近くで見ることができるというのはうれしいけれども、無駄遣いばかりのサンノゼ市は、メジャーを受け入れる下地ができていると言えるのか?まずは自分の足元を見て、市としての基盤をしっかりすることを考えて欲しいものだ。

結局「誰もいなくなった」ということになるのではないかという気もするが。