カーレース:400万ドルになります2006年01月10日 20:43

本日付San Jose Mercury News 1A面、"Car race: We need $4 million"から

昨年7月29日から3日間、サンノゼ市内でグランプリレースが行われ、延べ154000人を集め盛況のうちに終了したようだ。

このレースはF1より馬力の大きいフォーミュラカーを使ったレースで、米国最大級のレースだそうだ。サンノゼ市で開催されるのは初めてで、市中心地の公道をフェンスで囲み、周辺の通行を遮断して実施した。我が家は当日旅行に出かけていたため当日の雰囲気はよく知らない。テレビでちょっとだけ見ただけだが、レースが終わった次の日に通った市街地は、嵐が通り過ぎた後のような、ちょっと殺伐とした雰囲気だった。

さてこのレース、サンノゼ市が5年契約で誘致したもので、市として場所の提供とその整備、そして資金面での援助を約束している。市議会ではレース開催のために70万ドルの予算を承認していた。ただしこのときにはサンノゼのイベントホール前がレースルートに設定されており、イベントホールの駐車場整備が予算に含まれていた。その後コースが変更になり駐車場整備がなくなったため、援助した資金については後日返金してもらうように主催者と交渉することで議会の合意を得ていた。

のだが...

盛況に終わったはずのグランプリレースだが、どうもかなりの赤字だったようだ。

今週月曜に一部明らかになった決算では、結局市は60万ドルをレースにつぎ込む結果となったようだ。

更に、主催者は2006年の援助資金として290万ドル、2007年の分として110万ドルを要求してきた。

これは論外の数字だ。

主催者は一体どれだけの赤字を背負ったのかについては企業秘密であるとして公表していない。一方この要求額についてはレース開催により市が被った経済効果を勘案した結果だという。彼らの試算ではほぼ4160万ドル規模なのだそうだ。

この提案については本日の市議会にて話し合われるそうだが、さすがに受け入れに難色を示している議員が少なくないようだ。当然だろう。

次期市長候補でもあるチャンク リード議員は次のように述べている。

「これは多額すぎる。グランプリはすばらしいイベントだ。たくさんの人が楽しんだし私もそうだ。しかし問題は私たちに何ができ、金をどこから出せるかだ。必要な交通指導員を雇うことができていないし、公園の整備ができてないし、図書館は開館時間を短くしているなど一般会計の中から捻出できていないものがたくさんあるわけなのだから。」

感覚は将にこのとおりだ。4160万ドルもの経済効果があったなどという感じは全くない。

果たして議会はどのような結論を出すのか?明日の新聞記事にも注目しよう。

ちなみに2006年のサンノゼグランプリの情報については、この公式ページで入手できる。

http://www.sanjosegrandprix.com/index.html