アメリカの選挙―大統領スピーチ2006年11月08日 11:06

太平洋時間の10時から大統領スピーチがあり、20分ほど前に終了しました。

選挙結果については大変残念に思っているが、下院で過半数を超えた民主党にはおめでとうと言いたい。国民は新たな方向性を望んでいることがわかったから両党協力し合って新たな方向性を模索していきたい。

といったような内容。そしてラムズフェルド国防長官の辞任が報告され、新たにボブ ゲーツ氏の国防長官就任が発表された。

イラクについては、ゲーツ氏のもと新しい見方を模索していくことになるということ、超党派のイラク対策委員会を設立することなどが触れられたが、撤退については否定している。イラクの状況が考えていたようなスピードでは進んでいないことは認めたが、アメリカをテロリストから守るための必要な行動であり、成果は出ていること、ここでただちに撤退してはテロリストを勢いづかせアメリカを守ることができないと強調した。

しかし、民主党側からは早期の撤退を求めてくるのは必至で、恐らくブッシュ大統領の任期中、つまり2年以内の決着を迫られるのではないだろうか。

ブッシュ大統領は選挙の敗北は認めたものの各選挙区でみるといずれも僅差であること、つまりこれは政権運営について不信任や否定ではなく、両党協力して目的を遂行せよとのメッセージであるとうそぶいている。しかしいかに僅差であったにせよ、議会運営の主導権は民主党側に移るわけで、これまでどおりの政権運営というわけにはいかないだろう。

そうするとイラク問題の方向転換もそうなのだが、政府の支出削減と無節操な減税についての議論も俎上に上るはずで、これが今後の米国経済にどのような影響を及ぼすかは注視する必要があろう。