算数クイズ(3)2006年12月22日 11:06

気がついてみればクリスマスまでもうあと3日、2006年も残りわずかになってしまいました。みなさんはいかがお過ごしですか。

最近ブログの更新がクイズばかりになってしまって、ちょっと寂しい感がありますが、気を取り直して先に進みましょう。先週の問題は次のようなものでした。

「縦40m、横70mの長方形の家庭菜園があります。ここにつぎのような2本のあぜ道を縦と横に作ることにします。まず縦は左から10mのところに幅2mの長方形のあぜ道とします。横のあぜ道はまずつぎのように4点を決めます。左端は奥から10mと12mのところに2点、右端は奥7mと9mのところに2点です。これらをつないでできた平行四辺形のあぜ道を作ります。 このとき家庭菜園の、あぜ道を除いた残りの耕作面積はいくらでしょうか?」

答えは簡単ですね。長方形の面積から縦の長方形のあぜ道の面積を引いて、横の平行四辺形のあぜ道の面積を引いて、それから2つのあぜ道が重なっているところは2重に引いてしまっているからその分足し戻せばいいですね。

いや、でもちょっと待ってくださいよ。

斜めになっている平行四辺形を、縦に通っているあぜ道で分割して考えると、縦の一辺が2mで高さが10mの平行四辺形と、縦の一辺が2mで高さが(70-(10+2))=58mの平行四辺形の2つに分けて考えることができることがわかりますか?

そして、それぞれの平行四辺形の面積は、縦2m横10mの長方形と縦2m横58mの長方形の面積に等しいですね。

ということは実はこの問題、次の問題と答えは同じなんです。

「縦40m、横70mの長方形の家庭菜園があります。ここに幅2mの長方形のあぜ道を縦横に2本作ることにします。 このとき家庭菜園の、あぜ道を除いた残りの耕作面積はいくらでしょうか?」

ところで、問題がこんなに簡略化されてしまうと家庭菜園のどこにあぜ道を作るという情報もありません。家庭菜園の真ん中なのか端っこなのか、とにかく縦横に幅2mという情報だけになってしまっています。

それならあぜ道を家庭菜園のふちに沿って作ってみた絵を考えて見ましょう。あぜ道としては全く機能しませんが。

すると残った耕作面積は次の式で求められることがわかります。

(70-2)×(40-2)

この計算はそのままやると面倒ですが(私なんかは計算機を使っちゃいますが)、こんな風に展開すると比較的容易です、

(70-2)×(40-2)=70x40-70×2-40×2+2×2 =2800-140-80+4=2584

従って答えは2584平方メートルです。

この問題、「斜めに作った道はどんな角度で作っても面積は変わらない」ことで答えを簡単に出すことができるのですが、その理由は2つあります。 ひとつは「縦の道が長方形になっていること」そして「斜めの道の縦1辺の長さが固定なこと」です。

例えば「斜めに作ったあぜ道の幅が2m」という問題だとするとこんな風には簡単には答えが出ません。

ちょっとした条件の違いのようで、実は大きく問題が変わるというのは面白いですね。

さあでは今週の問題です。問題はこれが今年最後になるかと思います。

「カレンダーを見てください。日曜日が左端で土曜までの一週間の日付が、一か月分升目のように並んでいるものを選んでください。その中から次の2つの条件に当てはまる、適当な一日を選んでください。 条件1)その日は月曜から金曜までのいずれかである。 条件2)同じ曜日の1週間前と同じ曜日の1週間後の日も同じ月である。 つまりその日を中心に十字ができます。 ではその十字で、横3つを足した合計とたて3つを足した合計はどちらがおおきいでしょう。」

普段何気なく見ているカレンダーにちょっと不思議で面白い法則が見つけられますよ。このネタ、実はオリジナルではなくて、NHK教育の「かんじるさんすう1.2.3」の放送をヒントにしています。この番組とても面白いです。本も出ています。番組はNHKのサイトを通じてインターネットで見ることもできるのですが、すごくわかりづらい場所にあります。リンクを張っていいものかどうかわからないので探し方のヒントだけ。どうしてもわからない、でも知りたいという方はメールアドレスつきでコメント欄に連絡ください。

1)「みんなのさんすう」でGoogle検索する 2)表示されているURLのsansu123を残してお尻を消す 3)「せんせい」のタブを探す

ではまた

算数クイズ(2)2006年12月15日 11:41

先週の問題は

「さて、東西に長さ20mの公園内に、直線に沿って左から5m、2m、3m、4m、1m、3m、2mと7つに区切り、それぞれを直径とする半円の小道を作って公園を東西に横切れるような散策路を作ります。散策路の全長は何メートルになるでしょうか?円周率は3.14として計算してください。」

というものでした。答えは10×3.14=31.4mです。

理由を考えて見ましょう。まず直径5mの半円と直径2mの半円に注目してみます。この周の長さの合計は (5÷2)×3.14+(2÷2)×3.14 ですね。この式、計算しないでよく眺めてみると次のように整理できることがわかりますか? ((5+2)÷2)×3.14

これを言葉で言い表すと

ひとつの線分を2つに分割してそれぞれを直径にする2つの半円を描くと、その半円の周の長さの合計は、もとの線分を直径にする半円の長さに等しい

ということになります。半円は上側に描こうが下側に描こうが同じですね。

なのでこの考えを繰り返してみていけば、問題の公園の小道の長さは、公園の横を直径とした半円の周の長さに等しいことがわかります。だから

(20÷2)×3.14=10×3.14=31.4

が正解となります。

ところで、問題では小道は半円だったのですが、他の図形ならどうでしょうか?例えばそれぞれの区切りを一辺にする多角形の小道を作りましょう。それぞれの多角形は大きくしたり小さくしたりしたらそれぞれ重なり合うような同じ形のものにします。数学的用語で言えば相似形ですね。

そのとき小道全体の長さはどうなるかというと、公園の長さに沿って一番大きな多角形を仮に描いたとして、その周の長さとそれぞれの小道の長さを比較して見ましょう。最初の5mの長さに沿って作った小道の図形は仮に描いている大きな多角形の20分の5の図形になるから、周の長さも20分の5になりますね。次の2mの分は20分の2、次は20分の3となって、結局全部足してみれば、この場合も、小道全体の長さは外に大きな図形を描いた場合の外周の長さと同じになることがわかります。

だから、例えば小道がそれぞれ正方形だったとすると、小道全体の長さは

20×3=60m

ということになりますね。

さあでは今週の問題です。

「縦40m、横70mの長方形の家庭菜園があります。ここにつぎのような2本のあぜ道を縦と横に作ることにします。まず縦は左から10mのところに幅2mの長方形のあぜ道とします。横のあぜ道はまずつぎのように4点を決めます。左端は奥から10mと12mのところに2点、右端は奥7mと9mのところに2点です。これらをつないでできた平行四辺形のあぜ道を作ります。 このとき家庭菜園の、あぜ道を除いた残りの耕作面積はいくらでしょうか?」

絵を描いて調べれば簡単にわかると思います。ちなみに

平行四辺形の面積は(底辺)×(高さ) 台形の面積は{(上底)+(下底)}×(高さ)÷2

でしたね。でも、あわてて計算をしないで、まずは絵をよく眺めてくださいね。

算数クイズ2006年12月08日 20:06

今日からちょっと新しいカテゴリを始めます。

題して、「算数クイズ」

ネタが続けば、週一とか、二週に一度とかで更新しようと思いますよ。

それでは最初の問題。

まずは円周の長さの復習をしましょう。直径2mの半円に沿った小道を公園に作ると、その小道の長さは

(半径)×(円周率)=1m×3.14=3.14m

となりますね。

さて、東西に長さ20mの公園内に、直線に沿って左から5m、2m、3m、4m、1m、3m、2mと7つに区切り、それぞれを直径とする半円の小道を作って公園を東西に横切れるような散策路を作ります。散策路の全長は何メートルになるでしょうか?円周率は3.14として計算してください。

簡単ですね。