算数クイズ(4)2007年01月03日 23:59

日本は3が日も過ぎて仕事が始まっている方もいらっしゃると思います。でもアメリカだと2日から学校も仕事も始まりなんですけれどね。結構アメリカ人も働き者なんですよ(本当に働いているかどうかは別として)。

毎週金曜にアップするはずの算数クイズなんですが、実は私明日より日本出張なので金曜に更新は多分できず。さぼっちゃおうかとも思ったのですが昨年末の答えも出していなかったので、ちょっと早めの更新になりました。

前回の問題は、

「カレンダーを見てください。日曜日が左端で土曜までの一週間の日付が、一か月分升目のように並んでいるものを選んでください。その中から次の2つの条件に当てはまる、適当な一日を選んでください。 条件1)その日は月曜から金曜までのいずれかである。 条件2)同じ曜日の1週間前と同じ曜日の1週間後の日も同じ月である。 つまりその日を中心に十字ができます。 ではその十字で、横3つを足した合計とたて3つを足した合計はどちらがおおきいでしょう。」

というものでした。

これは簡単でしたね。カレンダーの横3つは真ん中を中心にして-1、+1の数が並び、縦三つは-7、+7の数が並んでいるわけですから、どちらも同じになります。

ちなみに右斜め3つと左斜め3つで比較しても同じですね。

では実際に縦横の十字と斜めの十字のそれぞれの数の合計を考えてみると、どちらも

(真ん中の数字)×5

になることはわかりますか?

計算しないでもぱっと見て答えがわかっちゃうという、結構面白いですよね。

さて、では今週の問題。

日本の一月といえば、何と言ってもサッカー。天皇杯あり、高校サッカーあり、トーナメント戦で盛り上がる月ですよね。

「日本全国、1都2府53県の代表(つまり56チーム)がサッカーのトーナメント戦を行います。全部で何試合になるでしょうか?」

さあどうでしょう。これ意外にあっさりと答えがわかっちゃう問題なんです。つまり見ただけで答えが出ます。いかがですか?

さて、ここで終わらしてもちょっとあっさりぎみなので、今回は新春特別版、第1回の問題をもう少し掘り下げて見たいと思います。

第1回の問題は、

「東西に長さ20mの公園内に、直線に沿って左から5m、2m、3m、4m、1m、3m、2mと7つに区切り、それぞれを直径とする半円の小道を作って公園を東西に横切れるような散策路を作ります。散策路の全長は何メートルになるでしょうか?円周率は3.14として計算してください。」

というもので、直径を区切って作った半円の周の合計はもとの直径にできる半円の周と同じだということを示しました。

それでは、例えば20cmの直線を引いて、そこに半円を書いてみましょう。 そしてその20cmを10等分して、それぞれに10個の半円を描くと、その周の合計はもとの20cmが直径の半円の周、つまり

(20÷2)×3.14=31.4cm

と同じになりますよね。

では100等分すればどうなるでしょう、1000等分すれば、1万等分すれば...

こうして20cmの直径を1億等分とか100億等分とか、もっともっと細かく分けてそれぞれに半円を描いてみると、見た目にはどんどんもとの直線に近づく、それと代わりのない図形になっていきますが、長さは常に約1.5倍も長いものができるわけです。

ちょっと不思議だと思いませんか?

11歳の生徒には大学は挑戦だ2007年01月02日 18:01

アメリカのお正月は一部の年越しイベントを除けば、淡々と過ぎていくものなのだけれど、2日ともなればもう仕事が始まっていたりするわけだ。

今年はフォード前大統領の葬儀ということで官公庁は急遽お休みになったようだが、サンノゼの学校は2日から早速始まった。子供たちは長い休みの間、猛烈遊びまくり夜更かしのしまくりだったのでちゃんと朝が起きれるか心配だったので、前の日に散々念を押していたのがよかったのか、いつもより早く起床してちょっと余裕の休み明け初日でした。

これが明日以降も続くのか、かなり心配。

さて、本日付San Jose Mercury Newsの1B面では大学に通う11歳の子供のことが載せられていた。

アメリカでは飛び級とかでそうした子供がいるということはよく聞くわけですが、記事ではどんな風に大学に通うようになったのか、大学ではどんな生活をしているのかがレポートされていて興味深い。

かいつまんで書くと、この子、テレンス君は幼いうちから読み書きがすらすらとできていて、小学校に上がるころには授業レベルが簡単すぎると思っていたそうだ。そのため周りの友達にちょっかいを出してばかりだったので、落ち着きのない「学習障害児」と思われる手前だったのだそうだ。

最初は公立の小学校に通っていたのだけれど、6歳で父親の経営する私立の学校に転校し、高校レベルの授業を受けていたのだそうだ。最初からその学校に通わなかったというのがちょっと不思議だが、これは私の感想。

9歳で高校の卒業単位を履修し終わるころになって、先生からSAT、つまり大学進学適正試験を受験することを進められたのだそうだ。最初は彼の両親も躊躇していたが、先生との話し合いを経てとりあえず受けてみるかということになったそうなのだが、なんと合格してしまったのだそうだ。

こうしてテレンス君はカリフォルニア州立大学に通うようになり、現在大学二年生になるのだそうだ。

私なぞが想像する飛び級の大学生は、何かひとつのことに秀でていて、それを極めるために他の事はなおざりになっているような、そんなイメージがあったのだけれど、テレンス君の場合必ずしもそういうことでもないようだ。

しかし、大学生活はちょっと苦労しているようで、成績は芳しいというわけではないと記事には書いている。

また、テレンス君は授業中に積極的に発言したり宿題をきちんとやっていったり、とにかくがんばっているようだけれど、その姿が他の普通の大学生の一部には目障りに写っているところもあるようだ。

こうした「飛び級」についてはいろいろ異論もあるかも知れないけれど、中学生がサッカーのプロチームで活躍したりプロゴルファーとしてがんばっているのと同じだと思えばいいんじゃないかな。子供のうちから大人の社会でがんばっていくことは並大抵の努力ではないと思うけれど、こうした経験を生かしてテレンス君が社会で活躍してくれることを祈り、応援してあげたいです。

ところでこうしてがんばって学業に励んでいる人がいる一方で、今日本では「偽装学位」あるいは「学歴汚染」がちょっとした話題になっているようですね。

アメリカでもフジTVが朝のニュース枠で、日本で放送した特集の一部を流していて、これを見て結構根の深い問題なんだということを知りました。

具体的にはGoogleとかで「学歴汚染」で検索して見ると様々なリンクが引っかかるけれど、中でも静岡大学の小島先生が詳しく調査研究をされているようだ。

「偽装学位」あるいは「学歴汚染」というのは大学卒業資格や修士号、博士号の学位をお金で取得することをいい、お金でもっともらしい学位証書を発行するような大学を名乗る機関がアメリカにはいくつも存在するのだそうだ。例えば50万円と日本語で書いた論文一本で大学の授業の履修成績証明書と卒業証書が手に入る。

もちろんそうした証明書にも「卒業資格」にも紙っぺら一枚の価値もないのだが、「卒業生」の中にはそれに疑問を持ちながらも「全く意味のない卒業資格」ということを知らされてショックを受けている人もいるそうだ。あるいはこうした紙っぺらの「博士号」を利用して詐欺商売を働いている人もいるそうだ。

更に驚いたことに、こうした「大学」で得た「博士号」を堂々と経歴にかざして、国公立大学の教授や助教授にのさばっている人もいるというのだ。「学歴詐称」もはなはだしいと言わざるを得ないが、大学側も「アメリカの大学の資格」として何のチェックもせずにいたのだとすると、それもあまりにお粗末すぎる。

こうした「学歴」や「資格」を製造する側と、それを盲目的に信奉する社会風土を指して、小島先生は「学歴汚染」と呼んでいるそうだ。

フジテレビの特集については、「学歴汚染」で検索して引っかかる小島先生のブログに詳しいレポートが載っている。ブログには「無断転載お断り」となっているのでリンクもトラックバックも張るのは控えておきます。興味のある方はご自分でお探しください。

新年あけましておめでとうございます2007年01月01日 21:36

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします。

2007年のサンノゼは実にのどかな一日で幕を開けました。ここ過去数年の大晦日、お正月は荒れた天候だったのですが、今年は大違い。こうした平和な日々が一年通じて続いてくれることを願うばかりです。

1月1日のSan Jose Mercury News 3A面には各地の年越しの様子がレポートされています。アメリカで年越しのイベントと言えばニューヨーク、なんと100万人もの人が集まったそうです。

ここ最近のアメリカの景気の好さを反映して、巷には何か華やいだ雰囲気が感じられるのですが、これだけの人数がイベントに集まったと言うのもそうしたことの現われなのでしょう。しかし、タイムズスクエアの周辺では持ち物検査が行われ、会場近くではバックパックや大型のかばんの持ち込み禁止になるなど、セキュリティチェックは厳しかったようです。平和な一年であることを祈りたい一方で、戦争やテロの影が付きまとうそんな一年になるのでしょうか。

レポートではまた、タイの首都バンコクでのニューイヤーイベントは市内9箇所で爆弾事件があったことで中止になったことも報じています。この事件で3人が死亡、38人が負傷したそうです。

一方、旧東欧共産圏のルーマニアとブルガリアでは、この日から晴れてEUの一員になったことを祝うイベントも行われたのだそうです。冷戦と混乱の一時代がまた終わりを告げました。

記事では最後に「日本では...」というのが載せられているところがシリコンバレーと日本のつながりの深さを物語っていると言いましょうか。

「日本では何千人もの人が富士山などの山に登り初日の出を拝む。警察の推定ではいずれかの山頂にいる人は15000人にもなるそうだ。」

まあとにかく平和で幸せな一年であることを祈りたいと思います。

ところで、新聞のこの記事の右側に1月1日より施行される新しい法律の一部が紹介されています。そのなかからちょっと「へえー」ものを本コラムの最後に紹介しましょう。

まず一つ目。SB1578という州の法律。「犬を犬小屋、フェンス、木などの静止しているものに一日3時間以上つなぎとめておいてはならない。」夜寝るときなどは檻に入れておけということでしょうか。ちなみに但し書き「馬で引いて散歩させるのはこれまで同様問題ない。」

SB1806。「動物を同乗者のいない車に閉じ込めておくのは、気温の寒暖に関わらず禁止。」駐車場で車内に犬を残して買い物に行く人はよく見かけるけれど、それはだめということですね。

AB1850。「トランクルームに乗車したり、トランクルームに人を乗せて運転することは禁止。」アメリカでは10代でも運転免許が取れるのだけれど、同じ10代の人を同乗させて運転できるには免許取得後一年経過していることが必要で、そのため友達をトランクルームに隠して運転するケースがあるのだそうです。

AB2612。「読む目的以外に25部以上の無料紙を取る事を禁止。」なんのこっちゃという感じだけど、例えばミニコミ誌とかそんなのを、ただだからといって大量に取ってきてはいけないということ。なぜか?記事によると、シューラビスタの住人が何千部もの無料紙をかき集めて国外のリサイクル業者に売り飛ばしたことがあったのだそうだ。ところがその中には、プライバシを侵害するような記事が載せられていたのだそうだ。しかし回収しようにも既に大量の掲載紙が流れていて手がつけられない状況にあったと。そうした事件への対処として提案された法律なのだそうだ。へえー。