学校区がジャンクフードの秘孔を突く2006年03月09日 15:22

アメリカの学校では、自分の子供が誕生日というとカップケーキをクラスに持っていってみんなに配り誕生日を祝ってもらったり、Walk-a-thonという歩け歩け大会があってソーダやクッキーを売って教材費の足しにしたり、クリスマスやバレンタインデーにチョコレートを売って学校に寄付したり、そんなことをしているのだが、サンタクララ統一学校区ではそれらができなくなるらしい。

3月9日付けSan Jose Mercury News 1A面、"District may go for junk-food jugular"によると、クッキー、チョコレート、スナックなどのジャンクフードや甘いジュース、ソーダなどを学校内で生徒たちに分け与えることを禁止することが学校区で検討されているのだそうだ。

これは偏に、子供たちの肥満対策、それに尽きる。

アメリカでは肥満問題、特に子供たちの体重過多の問題は大きな社会問題になっている。

そこでカリフォルニアでは来年度より一年間の栄養価摂取基準を策定し、肥満対策に乗り出したのだそうだ。サンタクララ統一学校区の案はこれに基づいたものらしい。

しかし、これでは学校活動やクラブ活動を進めるために必要なお金が集まらないと危惧、懸念している声が相次いでいるようだ。

たとえばサンタクララ高校では体育部のクラブ活動費の約半分はジュース、ソーダ類の販売でまかなわれているそうだ。

あるいは生徒会、PTAなどもクッキーやブラウニーなどの販売を通じてその活動費を補填するなどしている。

このため、子供たちの健康を考えた学校区の提案について理解はするものの納得はできないというのが正直な声のようだ。

これに対し提案者たちの考え方は、寄付金や収益金の懸念については理解できるけれど、子供たちの健康が第一であり、子供たちに何が健康によい食べ物なのかを明確に伝えることが必要なのだ、ということだ。

アメリカの学校では、場所によっては小学校でも、学校内に自動販売機が設置されていてジュースやスナックなどが買えるようになっていて、その収益の一部が学校に還元されるようになっているようだ。

以前は販売機でコーラなども買えたようだが、最近はほとんどの学校がソーダや甘いお菓子などの販売を止め、水、100%果汁のジュース、あるいは健康によいとされるスナックなどに入れ替えられている。

南カリフォルニアのビスタ統一学校区では5年前から自動販売機の販売品目の変更に取り組んでいて、切り替えた当初は生徒たちからも文句が噴出していたそうだが、今ではそうした声もなく、むしろ安心して買うようになり、そのおかげで学校の収益が4倍に伸びたというのだ。

何事もやって慣れてしまえばうまくいくようになるということか。

また、「よい食習慣を持ち健康な子供の多い学校は、よい成績もあげている」というレポートなども飛び出して、これは親の秘孔を突いている。

ということで、「ジャンクフード、貴様はすでに死んでいる」という話題でした(ああ、このフレーズそのものがすでに死んでいるか!?

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