狂乱のアフターサンクスギビングセール2006年11月24日 13:46

11月23日はサンクスギビングでアメリカのほとんどの店はお休みなのだが、24日はアメリカ中が「アフターサンクスギビングセール」の大バーゲンに燃える。

という話はこっちに来てから耳にはしていましたが、今までついぞバーゲンセールに出かけたことがありませんでした。

今年は、奥さんが行ってみたいというので、思い切って出かけてみましたよ。

朝の5時から。

アメリカのこの大バーゲンセールは、早朝に行われるところがミソです。かつては8時とかに開店して、それでも2時間ほど通常より早いのだけれど、3時間ほどの時限セールだったりしたようですが、数年前から開店時間がどんどん早くなり、朝の5時とか6時とかから始まるようになった、と記憶しています。

で、今回チラシで狙いをつけたのが「ベストバイ」の「ポータブルDVDプレーヤ」。230ドルほどの元値のものが130ドルほどという案内のもの。

「ベストバイ」の開店時間は朝の5時、なので4時半過ぎに家を出て行ってきたのです。

が、既にそこは長蛇の列。広い駐車場を取り囲むように列ができています。店の入り口ははるか向こう、およそ400mほども先。

店に入るまで30分ほどもかかりましたよ。いやあ寒かった。

お目当てのものはなんとか手に入りましたが、店の中で特売品が山積みになっていて、「これだけの量あれば買いそびれはないかな?」などと思っていたのに、店を一周してもう一度同じ特売品コーナーに行くと、品物がほとんどない。

すごい売れ行きです。

昨日のNBCニュースでは、何でも年間売り上げの3分の1以上がこの日に集中するとか。むべなるかな、です。

とにかく、特売品は一部赤字覚悟の値段設定だったりするそうですが、他のものも売れることで売り上げは黒字になる。ので、新聞やニュースではこの金曜のことを「ブラックフライデー」なんて呼んでましたよ。「暗黒の金曜日」ではなくて「黒字の金曜日」ってことで。

でも、同じNBCのニュースでは、「引ったくり」「すり」「置き引き」などの犯罪も多発する日なのでご注意をと言っていました。みなさんも大バーゲンに行くときには気をつけてくださいね、ってもう終わっちゃいましたけど。

ところで、我々のショッピングの方に話を戻すと、とにかく目的のものが手に入ったのはいいけれど、レジがまた長蛇の列で、待つこと40分。結局ベストバイ一軒でほぼ2時間かかってしまいました。ふう。

でもまだ朝の7時です。次に向かったのは「コールズ」。服飾品が中心の安売り店です。こちらも朝5時から開店しています。

お店にはすんなり入れたし、全品「タイムセール」の赤札付で、かなり余裕を持って買い物ができました。

が、地獄はここから。

レジ待ちに長蛇の列です。並んでいる列がまるで動かない。結局2時間待ってやっと会計が終わりました。通算で3時間超、疲れた~

今や日はすっかり昇り、世間は普通の生活が始まっています。

太陽が、ちょっとばかり、黄色い

本当は、もう1,2軒、別のお店にも回ろうと思っていたのですが、その気力は全くありません。まるで戦いに敗れた、敗残兵のように、足を引きずり、家へ向かったのでした。

アメリカのプリペイド携帯を使う2006年11月13日 10:43

先週の金曜に日本からのお客様があって、プリペイドの携帯を使いたいというので購入に付き合った。

買ったのはTracFoneという会社のもの。

この手のものは大手電気販売店で選ぶのがいいかと最初Fry'sに行ってみたのだけれど、意外に品揃えがない。端末も値段の張る物ばかりで、「もっと安いのがあるはずだ」ということでTargetの方に行ってみた。そしたらあるある、いろいろな種類のプリペイド携帯がある。

プリペイド携帯を出しているキャリアとしても、Targetで並んでいたものはVerizon、Cingular、T-Mobileなどの大手から、Virgin、TracFoneというプリペイド専門あるいは中心に事業をしている会社まで。

アメリカのプリペイドを使うには、そのキャリアの対応端末とSIMカードを購入する。SIMカードにはあらかじめ通話度数が割り当てられていて、それによって値段も変わるしもちろん後から度数追加をすることもできる。

日本のお客さんが選んだのがTracFoneのものだけれど、端末が安かったから、ただそれだけ。端末が19ドル、60度数の入ったSIM付で28ドルなのでテンポラリユーザとしてはこれで十分という判断。端末は日本のものが使えるのならいいんだけれどね。つまりSIMだけ買って使えるんならって。でもNTT Docomoの端末にCingular WirelessのSIMを試しに入れてみたのだけれど、SIM自体認識できなかったのでそうはうまくいかないみたい。端末がFOMAだったのがいけないのかも知れないけれど。

ところでプリペイドを買っても気になるのは「すぐに使えるのか?」というところ。答えは「アクティベートできたら、すぐにでも」なんだけど、このアクティベートがちょっと難癖。でその顛末はこの後書くことにして、もうひとつ気になるのは「充電しなくてもいいの?」という点。購入したものは電池がフルに入っていた。ただ説明書には「充電してからアクティベートしてください」と書いてあったのでそれは保障されていないみたいだ。運がよかったのかどうかはわからないが、もしかすると充電してからでないと使えないかも知れないという点は念頭においておく必要がありそうだ。

さて、アクティベートの顛末。

これはTracFoneだけの話かも知れないからそのつもりでね。というような、ちょっとなんだかなあというような話なんよ。

まず「なんだかなあ」と思ったのは、買った携帯端末からはアクティベートができない、というところ。別の電話かインターネットでTracFoneのサイトにアクセスしないとアクティベートができない。電話を使いたいから携帯を買ったのに、使うためには別の電話を使わなければいけないなんて。

で、まずチャレンジしたのは電話をかける方法なんだけど、いろいろ聞かれたあげくカスタマーサポートにおつなぎしますでまたされっぱなし、なんだかなあ、らちがあきません。

そのときは丁度パソコンも持っていたし、仕方がないので近くのマクドナルドに駆け込んでインターネットでアクティベートすることに。こちらはすんなり終了できました。

結局必要なものはSIMに書かれているシリアル番号と端末の識別番号の2つだけ。本人確認の情報もクレジットカード情報なども一切いらない。本人が主に使う場所の情報を入力してアクティベート処理が終了すると、しばらくしてその場所を市外局番に持つ電話番号が携帯に表示されて、使用可能状態になる。

なんだこんなに簡単にできるなら、Targetとかでアクティベートできる環境を用意しておいてもらえるといいのにな、と思いました。でないと旅行者にはこれを利用するためのハードルが高いよね。

それよりも、そもそも携帯からアクティベートができればいいんだよね。そういえば今使っている携帯は、携帯端末からアクティベートしたような記憶が。なのでこれはもしかするとTracFoneの会社の都合なのかも知れません。

それにしてもお客さん、携帯が使えるようになったら早速かけまくっていましたよ。聞くところによると、日本でプリペイド携帯を購入しようとしたら、戸籍抄本だの運転免許証だの本人確認ができるものが必要なんだって?「こんなに簡単に使えるようになっちゃっていいのかな?アメリカにはオレオレ詐欺はないのだろうか?」と申しておりました。どうなんでしょう。

核兵器-持つ国と持つべきではない国2006年10月11日 21:29

a-potさんが悩んでおいでだ。

「核を持っていい国、いけない国なんていうのがあるんだろうか?」

「あっちこっちで戦争を仕掛けているアメリカは実は最も危険な国なんじゃないだろうか?」

軍事力にものを言わせて気に入らない国はたたきつぶす。そんなことはあってはならないことだ

というのはもっともな話。

しかし火種は小さなうちに消してしまわなければ大火事になってしまう

というのがアメリカの、そして国連主要国の論理なんだろうな。

アフガンやイラクでとったアメリカの行動については、私は決して許されるべきことではないと思う。しかし、日英などイラクに派兵までしちゃった国もあり、中仏露のように文句は言っても言っただけでは暗黙了解しちゃったのも同然で、アメリカ一人悪玉扱いするのも公平な評価とはいえないんじゃないかな。もっともこの行動の責任の大半はアメリカがとるべきで、そしてそのことが今、アメリカに重くのしかかっていることは確かだと思う。アメリカは不思議なくらい好景気だけれど、イラク問題がいずれその足を引っ張るだろうとみんな心配している。

ところで、国連軍を含めた軍事行動を否定して、果たして世界の平和は守れるのだろうか?

国連的な答えは「否」であって、その理由は「軍事的制裁権を持たなかった国際連盟はヨーロッパや中国での紛争解決に何の効力も発揮できず、第二次世界大戦を阻止することができなかった」というものだろうな。

それが果たして正しい理由なのか。当時の連盟の体制の問題とか各国の国際協調に対する考え方の今日との違いとか、さまざまな条件の違いがあるから、当時の失敗をもって今日の反省とすることには素直に是とはいえないけれど、小さな喧嘩は小さいうちに大鉈を振るったほうがいいのだというのは、確かにそうかも知れない。

例えば北朝鮮。傍から見ればわけのわからない行動をとっているとしか思えないけれど、わけのわからないまま世界の制裁が強まり孤立していけば、行き着くところは他国への侵攻ではなかろうかね。方角は東、ターゲットは日本ではなかろうか。

さあそんな事態になった場合、もはや仮定だけで語れる状況ではなくなりつつあることに杞憂の念を禁じえないのだけれど、日本は防衛だけで気が済むのだろうか?国際世論に働きかけて問題の根源である北朝鮮の体制を崩壊させる、つまりは北朝鮮に攻め込むことを考えるんじゃあないだろうか。いやいっそのこと北朝鮮が攻め込んでくる前に、北朝鮮を滅ぼそうとするのではないだろうか?でもそれって、アメリカがイラクに攻め込んだ大義名分と同じじゃない?やられる前にやっつけるっていう。

つまりは、今の世界は残念ながら軍事行動を否定して平和が成り立つようにはなっていない、ということだ。アメリカがアフガンやイラクに対して起こした行動については、軍事行動そのものが非難されるのではなく、行動を起こすためにアメリカがつけたいい加減な理由について非難されるべき、と私は考えている。理由がいい加減なんだからそれに敷衍される行動も否定される結果にはなるのだけれど。

さて、核兵器について。

アメリカが持っているのになんで北朝鮮は持っちゃいけないの?

もっともな話。

アメリカにすれば「抑止力だ」と。本当に核は抑止力になりうるのだろうか?

例えば今アメリカが核兵器を完全廃棄したとして、それが本当に抑止力の排除、あるいは軍事的不均衡になるのだろうか?

よしんばアメリカと中国が戦争になったとして、中国は本当にアメリカ全土に核ミサイルをぶっ放すのだろうか?

そこんとこははなはだ疑問だし、アメリカも中国もロシアも、「核兵器は全部なくしちゃいます」って言ったほうがすっきりするんじゃないの?っておもう。つまりは核を持っていい国なんてありっこない。

でもこいつだけは核を持っちゃいけない、っていう国は絶対にある。国際的協調など考えず、強権政治で国内の異論も押さえつけ、国際的信用の全くないような国。そんな国が核を手にしたとき恐るべきはその国がそいつをぶっぱなすことではなくて、わけのわからない連中に売り飛ばすことだ。わけのわからない連中は人がいっぱい死ぬことが目的の活動をしているわけだから核兵器なんてよろこんで買うだろう。かの国も外貨を大量に獲得できるわけで、アサリを売るよりはるかにいい商売だ。

あいつが持っているんだからオレだっていいだろう、という論理は「あいつが持ってて良いということはないけれど、君は信用がないから絶対ダメ」ということだな。

しかし、自国民が飢餓にあえぎ、他国からの支援を受けてやっとやっていけているような国が、軍事力を増強したり、核を開発したりなど許されるべきことではない。それだけははっきり言える。