本日付San Jose Mercury News 1A面”WHEN CAN YOU LEAVE YOUR CHILD ALONE?"から
アメリカでは、大人の子供に対する義務というのはとても厳しい。
例えばスクールバスが停車して子供たちが乗り降りしている時には、他の車は両車線とも停止して待っていなければいけない。
例えば、子供をたたいたりすると、それが我が子をしかっている場合でも、”幼児虐待”で罪に問われることがある。
そして、子供だけで一人にしておくと親の管理責任が問われることがあるのだ。
1月4日のTVのニュースでちょっとあきれるような出来事が報道されていた。親が10歳と5歳の子供たちを家にほっぽらかして、ラスベガスに遊びに行っていたというので逮捕されたというのだ。30日の朝、まだ子供たちが寝ている間に家を出て、ラスベガスで新年の花火などを見て楽しんでいたそうだからあきれる。この両親は現在はブタ箱にぶち込まれているらしい。
どうも、子供たちと父親は血がつながっているそうだが、子供たちの血のつながった母親の方は病死して、最近再婚したばかりの継母だったようだ。
継母だから子供たちを疎外したなんていいたくは無いけれど、それにしても普通なら子供たちも連れて行くよね。第一つかまるまで5日間もほったらかしなわけだし。
今日のSan Jose Mercury Newsの1B面を見ると、なんでも子供たちにとって母方の祖母に面倒を見てもらうように頼んだけれど断られたとか、その断りの留守録を手違いがあって受け取っていなかったとか、言い訳がましいことを言っているようだけど、そんなのは論外。
まあしかし我々なんかでも、「ちょっとそこまで買い物に行きたいな」とか思うことがあって、でも子供たちがまだ小さいしアメリカということもあるので結局車に3人を乗せてぞろぞろと出かける、なんてことはある。こんなとき「子供だけで留守番できればいいのにな」などと思うわけだ。
ん、そういえば長男君がまだ赤ん坊のときに、ベットに寝かしつけたまま「ちょっとそこまで」買い物に出かけたことがあったな。おっと、これは内緒の話だ。
さてそれでこの表題の記事なわけだが、一般的には子供が12歳あるいは13歳になれば一人で居てもいいし、親なしで小さい子の面倒を見てもいいと言われているが、法律的にはそうした年齢制限のようなことは明記されていないそうだ。
サンタクララ郡の検事補カーリン シヌヌ氏によると「一人だけにされた子供が危険にさらされているかどうかが罪に問われるかどうかの基準だ」ということだ。つまり10歳の子であっても、その子が十分自立していて自分のことができ、また親からもきちんとしつけがなされていれば、少なくとも親に責任が問われて逮捕されるなどということはない。
また、San Jose警察の話によると、子供を一人にしたということで罪に問われるケースはめったにないそうだ。
しかしそれは子供だけで居させるケースが滅多にないということではなくて、実際には結構あるらしい。両親とも働きに出ている家庭も多く、仕事の都合で両親とも家におらず、止むをえず子供だけで居るというケースは実際にあるのだと、サンフランシスコのカフィアダ大学で児童保育を教えているアナ フェルナンデスさんは述べている。
確かに、我が子の学校でも10歳の子が親の付き添いなしに一人で登下校していたり、いわゆる「鍵っ子」だったりする子も何人かいるようだ。日本では当たり前のように見えても、アメリカではちょっと驚く。
記事にはこんな話も紹介されている。
サンノゼ警察がある朝、4歳の子供が一人道端で泣いているという電話を受けたのだそうだ。行って見ると6歳と2歳の兄弟がいて、子供たちだけで家に居るのが見つかった。
その家庭は27歳のシングルマザーがいて、その時間母親はサブウェーレストランで講習を受けていたのだそうだ。母親は6歳の子供に事情を説明して、朝起きたらおばに連絡するようにと言いつけておいたのだそうだが、それより先に4歳の子が起きだして外に出てしまったらしい。
クリスマスの前のことで、母親は2つの仕事を掛け持ちでやっていたそうだが、子供たちには今年のクリスマスプレゼントは無いことを伝えていたらしい。
かなり生活に苦労していたようだ。
この母親は警官に逮捕されるというようなことは無かった。むしろ警察官同士ポケットマネーを出し合って子供たちへのクリスマスプレゼントを贈ったのだそうだ。
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