昨日のニュースになってしまったけれど、3月13日付けSan Jose Mercury Newsが報じているところでは、サンノゼマーキュリー紙の親会社であるナイトライダー社が買収されることになったそうだ。
実はこの話は昨年末からあった話で、マーキュリー紙のなかでも会社がこれからどうなるのか、社内にある不安の声を織り交ぜながら幾度も報道されてきていた。
私は3年ほど前からサンノゼマーキュリー紙を愛読しているのだけれど、ローカル色豊かな紙面づくりと親しみのある語り口調などが気に入ってこうして記事を紹介しているわけなのだけれど、大きな新聞社に買われてそういう良さが失われたりしたらいやだなと思っていた。
そうしたらなんと、この買収でいろいろ面白いことがわかった。
一つは、サンノゼマーキュリーの親会社は実は大きな会社だったということ。
ナイトライダー社はサンノゼ市内に本社ビルを構えていて、市の中心に行くとやや古めかしい黒いビルの最上階の4隅に「Knight Ridder」という大きな看板がよく目立っていて、知らない人は「あれはいったいなんだろう?」って思うのだが、実は全国に32の新聞社を所有し、総発行部数が490万部の全米第2位の新聞社なのだそうだ。
全米第一位はUSA Todayを保有するGannett社で、一時はナイトライダー社の買収を検討していたようだけれど、早い時期に降りてしまったようだ。
USA Todayはどこのホテルに泊まっても朝届けられていたりするので新聞はおなじみだけれど、読んでいて面白いと思ったことがなかったし、まあ慣れの問題なのかも知れないけれど、サンノゼマーキュリーがUSA Todayみたいになる心配はなくなったかなとほっとしたものです。
で、実際に買収することになった会社というのが2つめの面白いことなのだけれど、この会社、マクラッチ社は全米9位の新聞社ということだけれど、総発行部数は190万部にしか満たないし、売上高もサンノゼマーキュリーの半分しかない。
で、今回の買収は総額45億ドルでそのうち60%がキャッシュ、40%が株式交換ということらしいのだけれど、そうするとマクラッチ社は27億ドルものキャッシュを用意しなければならないわけで、この会社の2005年の売り上げ12億をはるかに超えている。借金をしてまかなうらしいのだけれど、債務超過になったりはなったりしないのかしらと余計な心配をしてしまう。
マクラッチ社も全米各地に12の新聞社を所有するナイトライダー社と良く似た会社だけれど、サクラメントに本社があって、まあその点でも近い会社だと言えそうだ。サンノゼにあるナイトライダーのオフィスは今後なくなってしまうかも知れないけれど、サンノゼマーキュリーの色はそのまま残ってくれるのではないかなと思っている。
それにしてもこれだけ大きかった新聞社が売られるということ、どうもインターネットなどの影響で新聞の売り上げが落ち込んできたことによる株価の低落に、株主たちが満足できず、売却という運びになったようだ。
とここまで書いて、もう今日が終わるというところで14日付のSan Jose Mercury Newsを見ると、1A面に続報が載っていて、なんとマクラッチ社はSan Jose Mercuryを売ると言っているではあーりませんか!
従業員もびっくり、のようです。
どうなることやら
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