移民論争の生の声2006年06月20日 23:29

いやあ、大分久しぶりの更新になってしまいました。公私両面で忙しい毎日になってしまい、ブログ更新の気力が無くなっていました。夏休みにもなったので(子供たちはもう学校が終わっちゃっています)、また気力を振り絞って、ちょこちょこと更新を始めようと思っています。

6月20日付けのSan Jose Mercury NewsのA&E面(Art & Entertainment)の最後に、「高校生が作るページ」っていうのがあって、そこに「不法移民の学生へのインタビュー」というのが載っている。

インタビューを受けているのはルシーラさんというサンノゼの高校を卒業して、サンノゼ州立大学への進学を考えている女学生だ。彼女は6年前に両親とともに国境を越えてきたが、偽造身分証明書を使って入国し、今は滞在許可証もない不法移民なのだそうだ。

インタビューの内容について、ここで訳して載せることはできないが、まあだいたいこんな感じ。

Q 国境を越えてくるのってどんな感じ? A 怖かったです。私は入国審査を簡単に通れたのだけれど、母は移民局の人に捕まって2日間も牢屋に入れられたわ。そんなことが2度もあって、結局は偽造証明書で入ることができたの。とにかく、うまく入れるかどうかは運次第ってこと。

Q 不法移民の子供でいることってどんなですか? A とてもつらいです。政府は私の両親をとがめだてしようとすることは間違っていると思うわ。私の両親はすごくよく働いて、アメリカの経済に貢献しているわけですから。

彼女は家ではスペイン語で話しているようで、入国した6年前は英語は全くしゃべれなかったそうだ。それが夏の補習などで一年後には学校についていけるようになったというのだから、随分とがんばったんじゃないかなと思う。

Q なぜご両親はアメリカにきたのかしら? A それはひとえに私のためなのです。私がよりよい職につけるようにということなんです。

アメリカの会社で働いてみると、意外に滞在資格の怪しい人のウワサというのを耳にする。技術者であってもだ。当局はいちいち取り締まっている余裕がないと思っているのか、分かっていないのか、それとも目こぼししているのか、その点はよくわからない。まあ、そういうこともあるので、彼女のようなケースでもいい職に就く道はあるのかも知れない。

Q あなたは民族的な迫害や偏見の目にさらされたことはありますか? A 前はあったけれど最近はそんなことはありません。中学の時にある男の子から「メキシコに帰れ」って言われたことがあったけど、その人が愚かなんだと思うことにしているの。

Q 市民権を取りたいと思いますか? A それは政府の政策によります。私は市民権の申請を出したいと思っているけれど。だめだったら?またやり直すだけね。

6年前といえば我が家は既にアメリカに住んでいた時期だが、その時に国境を越えてきた人のインタビューというのは、正直びっくりだ。しかも将来に悲観的でなく、むしろ希望さえ感じられる。

彼女は、「私の両親を罪人扱いするべきでない」というし、「アメリカはアメリカインディアンを除けばみんな移民なんだから、門戸を広げるべき」というけれど、私はこうした意見には100%賛成はできない。

まあ、このあたりの議論は、また機会を改めて。