運転中は携帯電話をかけるのを止めさせる法律2006年06月25日 23:44

カリフォルニアでは、運転中に携帯電話をかけることを禁止する法律は当の昔に制定されているものだとばかり思っていたが、実はそんなことはなかったようだ。

しかし、それもまもなく議会を通るだろうと本日付のSan Jose Mercury Newsが報じている。

パロアルトが地元の上院議員、ジョー シミシアン議員がなんと6度目の挑戦で議会通過が確実視されているらしい。これまでは携帯電話各社の反対で通過できなかったが、今回反対意見を述べている会社はスプリント・ネクステルの一社のみで、一方、警官、保険会社、消防士組合などが賛成意見を述べているらしい。

同様の法律は既にニューヨーク、ニュージャージ、コネチカット各州で既に施行されているようだ。

この法律が施行されると、運転中に携帯電話をかけて片手運転をしていた場合、初犯は20ドルの罰金、2回目以降は50ドルの罰金となるらしい。携帯電話をかけるにしても、イヤホーンを使っていて、ハンドルは両手で運転している場合には罪に問われない。

この法律の推進派の主な根拠はハイウエーパトロールのデータにあるらしい。それによると、不注意による運転事故の一番の原因が運転中の携帯通話なのだそうだ。また、携帯通話中に事故を起こしてしまう確率は、そうでない場合より25倍も多いという結果が出ているのだそうだ。

これに対して反対派の意見は、「何でも法律で縛ればいいというものではない」「不注意事故の原因など携帯通話以外にもいくらでもある」、そして「ハイウエーパトロールのデータなぞ、いろいろな原因のうち適当にひとつを選らんだだけのものなのだから、データそのものにそれほど信用性はない」というのだ。

新聞記事ではこんな風に反対意見側の論を述べているわけで、こんな風に書くと結構ハチャメチャな意見に聞こえるのだが、「何でも規制すればいいものではない」というのは、まあその通りだと思う。

一方、データの信頼性については、既に施行されている州などで、施行前後の交通事故発生状況のデータを解析すればその効果については一目瞭然なのではないかと考えるのだが、そうしたことについて全く議論されていないのか、敢えて触れられていないのか、記事には何も書かれていない。

もっとも、運転中の携帯通話については危険性を指摘する研究報告もいくつかされているようだし、日本でも既に禁止されていると聞く。まあ、禁止するのが世の中の趨勢なのだろうと考える。

ところで、この法律に反対している携帯会社がスプリント・ネクステルの一社だと書いたが、法律が施行された場合、イヤホンのようなものがより売れると予想されているわけだけれど、現時点でそうしたものが最も売れている会社はスプリント・ネクステルなのだと新聞が書いていることも申し添えておくのがフェアーだろう。