卒業試験救済措置の提案2006年06月27日 22:21

カリフォルニアでは今年の高校卒業生から、高校卒業試験に合格することが義務付けられるようになった。つまり、卒業試験に合格していないと「卒業」はできるけれど「卒業資格」を得られないようになったのだ。

そういうことは昔からそうなのかと思っていたけれど、去年までは単位さえそろっていれば資格がとれたのだそうだ。ちなみにもう少し調べてみると、全米50州のうち卒業試験合格が必須なのは19州、カリフォルニアは20州目としてその仲間に入ることになったようだ。

で、今日のSan Jose Mercury Newsの記事では、万が一試験にパスできなかった場合、その生徒がコミュニティカレッジ(地域の短期大学)などに通って再チャレンジできるような仕組みを用意する法律と、7年生、10年生、12年生(それぞれ中1、高1、高3に相当)の生徒たちに、卒業試験の準備をさせるための予算措置を図る法案が採択される見込みであることを伝えている。

まあ確かに、高校に通って卒業しました、でも試験に通らず資格がありません、で終わってしまうのでは問題だしね。アメリカは高校も義務教育なので、ちゃんと卒業できていませんという人も少なからずいるわけだ。

ところでどのくらい試験にパスしていない人がいるのかというと、記事によれば、今年は高校3年生に約43万人いて、そのうちの約10パーセントがパスできなかったそうだ。つまりは4万人強もいるわけで、けっして無視できる数ではないように思う。

この試験、必ずしも最終学年に受けるというわけではなく、10年生で受けてそこで合格してしまう人もいるようだ。ただしそれで合格したからといって高校を卒業できるわけではなく、きちんと授業を受けて単位もとらなければ卒業はできない。一方10年生が受けても合格できるような試験なわけで、つまり高校で習うような知識を必要とするような問題ではない。

カリフォルニアの卒業試験の試験科目は「基礎英語」と「数学」の2科目だけで、大変基礎的な設問ということなのだが、さてどんな試験問題か、興味がありますか?

ある人はここをチェックすると、2005年10月の試験問題が見れるぞ。

http://www.cde.ca.gov/ta/tg/hs/resources.asp

私もぱらぱらと見てみたけれど、「数学」は「算数」レベル。「英語」は日本の大学入試にあってもおかしくない内容かなとは思うけれど、それにしても驚くのは設問の多いこと。いったいどのくらいの時間をかけて答えるんだろうって感じ。「英語」は、こんなに読ませたんだからもっといっぱい聞いてよ!って思ってしまう。案外「知識」以上に「忍耐力」も評価の対象に入っているのかも?(って冗談だけど)