ベイエリアでの最大の不満は交通問題2006年02月23日 18:01

さて、昨日は死刑についてのウルトラC問題を扱ったわけだが、今日のSan Jose Mercury紙の一面もでかでかとこの問題が出ているわけですよ。しかも死刑執行の部屋の写真付きで。

なんだか潜水艦の中のような、実験室のような、狭くてとても殺風景な場所なのだけれど、ここで確実に人が死んでいると考えると写真を見ているだけでも気分が悪くなってくる。

どんな場所か興味があるって!?

あなたがどうしても見たいというのなら、mercurynews.comにアクセスして、Localの中にある"San Jose hearing could impact executions nationwide"のリンクをたどると今日の一面の記事にたどり着くけれど、その右側の写真の下"More photos"をクリックすれば、その15番目に出てきます。記事は多分数日でWebサイトから消えてArchiveに移動するので、お金を払えば参照できるのかも知れないけれど、まあそういうつもりでとっとと見に行って頂戴。

記事の方はウルトラCが死刑そのものの議論に発展してきてしまっているということを取り上げていて、ウルトラCに何か進展があったというわけではないので今日のところはこれ以上取り上げない。

二日も続けてこんなことを話していても暗くなるだけだし(と言っても結構前置きが長くなっちゃったな)。

今日話題にするのはValley版の1B面の記事。

まあカリフォルニアに住んでいると気候が良いこと以外はいろいろと不満がわきあがってくるわけで(オレだけかな?)。人が多いとか物価が高いとかあれこれあれこれ。

ベイエリア協議会という、なんだか良く分からない会なんだけど、が毎年アンケート調査をしているらしくて、みんなが何に最も不満を感じているかの結果が出たのだけれど、その一位が「交通問題」だったのだそうだ。

結果の上位5つくらいをここで紹介すると、

1位 「交通問題」 35%

2位 「住宅問題」 19%

3位 「景気の先行き」 17%

4位 「学校、教育問題」 14%

5位 「治安問題」 12%

ということで「交通問題」ダントツの一位、おめでとう!ということになっているようだ。

具体的には、「渋滞問題」とか「公共交通機関の整備問題」とか「道路の整備状況」とか、そういった事柄だ。

アメリカ人の場合、通勤は大体車で一時間以内というのが普通のようで、渋滞でニッチもサッチも行かないというと結構いらいらしちゃうようだ。

「お急ぎの方にはカープールレーンを」ということで、2人以上乗っている車は専用レーンを使ってスムーズに進めるのだけれど、いらいらしたアメリカ人が一人しか乗っていないのにそっちに入り込んでおまわりさんに捕まってしまう、なんて光景も結構見たりする。

車がダメなら電車で、っていうわけにはいかないほど公共交通機関は整備されていなくて、例えばサンノゼからサンフランシスコまで電車で行こうとするとごっついディーゼルカーのカルトレインしかなくて、それも1時間30分もかかっちゃうので、電車を降りた後の移動のことも考えるとやっぱり車かなということになっちゃう。

で、いざ車で出発すると、高速道路はあちこち工事中だし、整備状況も決してよくはないので穴ぼこだらけで、たまにびっくりするくらい大きな穴が開いていたりする。これは気をつけないと120Kmとかのスピードで走っているところで穴の上を通ってしまったらパンクしてしまったりする。

そういえばつい一週間ばかり前、高速道路のど真ん中にコンクリートのブロックが落ちていて、多分工事車が落として行ったのだと思うけれど、数台甚大な被害が出て路肩に止まっているのを見た。私はたまたまスピードを落として走っていたのでなんとも無くよけることができたけれど。

とまあ、確かに「交通問題に不満があります」という向きには、「そうだね、確かにこんな問題もあるよね、あんな問題もあるよね」と通勤時間の間くらいは不満のオンパレードを続けて「そうだそうだ」と同調できそうだ。

で、サンノゼ市の副市長でVTA(サンノゼ市周辺の”都営交通”のような公共団体)のヘッドをやっているチャベスさんは「そ、交通問題はとても重要な課題ですよね。 だからバートをサンノゼ市まで延長させるというのは問題を解決させるために必要なことなのです」(かなり脚色)と言うわけだけれど、そんなわけないだろ、とちょっと怒りモードに入ってしまう(何で怒っちゃうかというのは今日は書かない。そのうちまた)。

バートの計画に反対している人たちは、「そんな金のかかる計画より、バスサービスを充実させるとか、汽車路線の電化を進めるとか、そういうことを考えたほうがいいのでは」と、ふむふむ。

「交通問題」以外では「住宅問題」が2位になっているけれど、昨年の調査では「景気の先行き」の方が2位だったそうで、みなさん景気が上向いて来ていると感じられているということでしょうか。

ちなみに「人大杉問題」は「ホームレス問題」と同率で6位だったそうだ。

ところでこの調査、実際にはフィールドリサーチコーポレーションというところがやったそうなのだけれど、ベイエリアに住むEnglishとSpanish 600人を対象に行ったらしいのだけれど、いったい何それっていうのもJapaneseの不満としてカウントされるわけだな(怒

(ちょいとばかり続く

ベイエリアでの最大の不満は交通問題(つづき2006年02月23日 19:40

ということでこのタイトルの話題が続くのだけれど、なにも不満をぶちまかそうというのではない。

記事の原題は"Biggest Bay Area beef is traffic”となっていてbeefという単語にビビッと来たので、ちょっと付け足そうというわけだ。

新聞を読んでいて、「牛」に関連するけれど「牛」ではない言葉があるのに意外に出くわす。

この表題のbeefも「牛」じゃなくて「不満」とか「苦情」っていう意味なんだけれど、別に狂牛病で日本への輸出が停止になっちゃって、畜産業界が不満をぶつけているからそういう意味になっているわけではなくて、もともとそういう意味があるのだ。

他にも where's the beef で「中身はどこにあるんだい」みたいな表現になったりするそうだ。これはハンバーガ店のキャッチコピーから来ているそうだ。

しばらく前のブッシュ大統領の発言の中で「入国管理を強化する」という言葉にはbeef upという表現が使われていた。beef up (強化する、増強する)は他でも新聞によく出てきている表現なのだけれど、「(牛にえさを与えて)強くする」ということなんだそうだ。

Mercury紙の2月17日の記事で「シリコンバレーの社長は2006年の雇用状況には明るい見通し」という記事の原題は"VALLEY CEOS 'BULLISH' ON HIRING FOR 2006"で、楽観視することの意味でbullという言葉が使われている。辞書で調べると、bullは「ビジネスに関することで楽観的に見ている人のこと」なのだそうだ。どこからそういう意味になるのか分からないけれど、面白いね。

cowにはまた「え、そんな意味があるの」っていうのがあるのだけれど、それは読者の宿題にしましょう(えっ宿題があるのかよ)。