ベイエリアのプロスポーツのゆくえ2006年11月14日 18:13

先週の7日に民主党が大勝した選挙があって、8日にはその報道で一色だったSan Jose Mercury紙だけれど、その後のトップをにぎわしていたのは政治の話でもイラクの話でもない。

49ers移転の話。

まさに降って湧いたように49ersがサンフランシスコからサンタクララ市に移ってくるという話が出てきた。49ersの現本拠地を立て替えてオリンピックスタジアムにする目算を立てていた招致委員会は大慌て、招致も断念せざるを得ないかという窮地に立たされた。というところは日本でも報道されているみたいなのでご存知の方も多いだろう。

記事によるとサンタクララ市当局も「そんな話聞いてないぞ」みたいな感じだったようで、喜んでいいのやらどうなのやらと、ちょっと当惑気味。一時は民主党の下院議員さんが出てきて移転計画が再検討される模様だったけれど、今日の新聞では結局移転する方向で話が進んでいる模様。サンフランシスコのオリンピック招致委員会も13日付けで正式に立候補を取り下げましたね。

一方、サンフランシスコ市のお隣、オークランド市も野球チームのアスレチックスの移転計画でいろいろもめているものだからここ最近のSan Jose Mercury Newsの1面はこの2つの話題でいっぱいでした。

まあアスレチックスの方は、以前このブログでもとりあげたけれど、プロフットボールチームのレイダースとの共用フィールドをいやがっていて、専用フィールドを作るかさもなければ出て行くという構えだったわけで、移転先にはサンノゼも立候補していたくらい。オークランドを出て行くのも仕方がないのかなという雰囲気はあった。

で、こっちのほうは今日のお昼に、フリーモント市への移転について基本合意ができたという会見があった。移転場所はフリーモント市の中心と高速880をはさんだ西側、シスコシステムズの土地に野球専用スタジアムとショッピングモールを建設するのだそうだ。

シスコの社長さんはアスレチックスの年間パスをお持ちなのだそうで、「我が社がプロスポーツ事業に関与する始めての機会」「試合のインターネット中継などが可能なハイテクスタジアムの建設を考えている」などかなりの意気込みだ。

しかし今日の新聞によると現在プロ球団はオークランド市にとって利益になっておらず、むしろスタジアムの運営費用などで税金を投入しているような状態、というのが気になる。スポーツで金を儲けようというのは、なかなか難しいのかもね。

とにかく49ersにしろアスレチックスにしろ、ベイエリアの北側から南へ移転しようとしているわけだけれど、日曜のMercury Newsではその理由として3つ挙げていた。現在のホームタウンで期待するようなものが得られていないこと、ベイエリアの南側での人口増加が著しいこと、従ってまた収益も期待できること。

統計予測では、サンタクララ、サンマテオ、アラメダ郡では今後25年間で約100万人の人口増が見込まれているのだそうだ。一方のサンフランシスコは人口が減少傾向にあると予測されている。

サンノゼは人口では全米10位の大都市だし、とてもそんな雰囲気はないけれど、大都市のなかで比較した市民の所得では全米第2位の裕福さだし。そこに金の匂いをかぎつけて寄ってきたと、まあそんなところなんでしょう。

ところでこれら2チームが現本拠地を出た後の名前は何になるのか、気になるところ。

49ersは「サンフランシスコ」のままでいるつもりなのだそうだ。あの「ジョー モンタナ」が活躍した栄光のチーム名が歴史から消えるのもさびしいから、それでいいんじゃないかな。

アスレチックスの方は、会見ではそこのところを聞き逃したけれど、どうもまだ決めていないみたい。「サンノゼ アスレチックス イン フリーモント」なんていう名前も検討されているようだ。

まあ、こういうプロチームが家の近くに来てくれるというのはうれしい話。サンノゼからサッカーチームが出て行ってがっかりしていただけにね。でも、実際にプレーが見られるのは後5年も6年も先の話だから、もしかしたらそのときにはサンフランシスコの方に引越ししていたりしてね。