シリコンバレーの財界人が提案73に反対活動2005年10月11日 09:18

本日付San Jose Mercury News 1B面 "Valley leaders fight Prop. 73"

カリフォルニア知事選挙が間近にせまってきた。この選挙では合わせて住民投票も行われることは10月4日の記事でもちょっと触れた。 San Jose Mercury 紙によると、シリコンバレーの財界人が積極的に私財を投じて反対キャンペーンを行っている住民投票議案の一つがProp. 73なのだそうだ。

この議案とは、「18歳未満の未成年が人工妊娠中絶手術を行う場合、医師は48時間前までには保護者にそれを通知しなければならない」というものだ。

これに対して、例えばインテルの社長夫妻やスティーブ ジョブスの奥さんなどが反対キャンペーンへの寄付を行っているらしい。こうした寄付金によって、テレビや新聞の反対キャンペーン広告などが作られるのだ。

記事では「財界人がビジネスに関係のない分野で組んで行動することは珍しいことだ」と皮肉にもとれるようなことを言っている。

反対派の一人Morgan氏はMercury紙のインタビューに答えて次のように語っている。

「提案73は若い女性が妊娠した際に、きちんとしたケアを受ける必要があるにも関わらずそれをためらわせてしまうという事態を招く。」

また、ボクサー上院議員は、

「この提案は中絶規制の別の顔だ」

と非難している。

妊娠中絶については今やアメリカ社会での主要議題の一つになっていて、中絶規正法の成立を主張するカトリック教会を中心とするグループと、中絶は女性の権利と主張する女性活動家を中心とするグループが意見を戦わせている。大統領選挙の際の候補者討論会でも常に「中絶規正法に対する立場」が議題になるし、裁判官の任命などの際でも、公聴会で必ず問われる。 ちなみにブッシュ大統領は「中絶には反対だが、法として規制するのはしっかりとした議論を待たなければならない」と候補者討論会で述べていたように記憶している。

また、シュワルツネッガー知事はSacramento Bee紙のインタビューで

「オレは誰かが私の娘を、中絶術をするために病院に送るようなことをするなんて我慢ができないし、誰も何も言ってくれないことにも耐えられない。もしそんなことになったら、オレはやつを殺す。」

なんて物騒なことを言っている(ちょっと物騒に訳していますが、原文のニュアンスはこんなもん)。しかし、娘を持つ父として(ウチはまだ小さいけれど)気持ちとしてわからなくはない。だが、かといって医者にも行けず危ないまねをされでもしたら、などと思うと、それも心配だ。そういうことが杞憂になるように、そうだ、箱にでも入れておくか。

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