いかがわしく見られたプレイステーションの広告2005年12月30日 23:50

本日付San Jose Mercury News 2D面”PlayStation ads seen as shady"から

この話、実はオタク仲間の間では一ヶ月ほど前に物笑いの種になっていた話。

ソニーの米国法人がPSP(プレーステーションポータブル)の宣伝を一風変わった方法でやったのだった。

サンフランシスコ、フィラデルフィア、シカゴなどの都市では壁画というか落書きが有名で、観光名所などにもなっていたりする。また落書きの「製作者」(というのも変だが)にも名の知られた人もいるらしい。

サンフランシスコの「落書き」についてどんなものがどこにあるのか興味のある人は、次のリンクをたどってみて欲しい。

http://park.ruru.ne.jp/sanfran/index.html

サンフランシスコの名所案内をされている方のサイトで、そのへんのガイドブックよりはるかに詳しく役に立つサイトだ。ここで、「サンフランシスコガイド」「名所ガイド」とたどっていき、ページを下にスクロールした「Wall Watching」のリンクの先に写真と説明が載せられている。おっと、実際に見に行く場合にはこのページの先頭に書かれている注意書きにも目を向けること。

さて、ソニーの一風変わった広告というのはこうだ。

全米約10都市でそれぞれ名の通った「落書きペインター」をお金を出してやとって、PSPをモチーフにした落書きを書いてもらったのだ。

新聞記事にはフィラデルフィアのものが写真で掲載されている。2mほどの高さの白壁に黒だけで描かれていて、漫画タッチの男の子や女の子がスケートボードや公園の遊具でそれぞれ遊んでいる絵だが、スケートボードや遊具がPSPの形をしているのだ。絵にはどこにもPSPの言葉もソニーという社名すらない。

これを見る限りでは、とてもきれいな出来上がりで、楽しい絵だ。一見してPSPの広告だとはわからない(ゲーム機については知識がないもので)。

ところが見る人が見ればすぐに分かってしまうようで、「ソニーはこんなことまでして生き残りを図るほど追い詰められているのか」などとあきれられたりしているようだ。サンフランシスコに描かれた落書きは、あっという間に塗りつぶされたり描きかえられたりして、「俺たちの街から出て行け」とか「Fony」などとかかれてしまったようだ。「Fony」は"phony”(うそつき)と”Sony”を掛けた造語だ。

一方フィラデルフィアの方は、写真では何も手を加えられていないようだが、フィラデルフィア市内の不法あるいは不道徳な広告を監視しているグループには「市の条例に違反している可能性がある」と考えられているようだ。市が広告の掲示を許可していない場所に広告をうっているというのだ。

こうした広告にならない広告、アイデアはよさげに見えたのだろうが、どうも一部(あるいは結構大多数)にはイメージダウンになってしまったようだ。何事も正攻法が一番、ということか。

ところでこの記事の表題、”shady”は「いかがわしい」の他「影の」という意味もあって、ソニーが名前を出さずに影に隠れた広告をうったこともひっかけている。

えっ、そんな余計な説明はいらないって。余計なことをしてイメージダウンにつながりましたか。