子供を楽観的になるように育てよう2006年01月31日 22:54

今日は子供の学校であった講演会の内容についてお話しよう。

タイトルは"YOU CAN TEACH A CHILD HOW TO BE OPTIMISTIC!"、ちょっと(相当)意訳してこのブログのタイトルのとおりだ。講演者はジム ウイルトンさん。コラムニストで作家、だそうだ。

弁の達つ人だし相当早いスピードのヒアリングだったので、聞き取るのにちょっと必死。復習をかねてこの記事を書いているけれど、もしかすると記憶違いや聞き違いもあるかも知れない。それについてはご容赦。

さて、成功者というのは得てして物事を楽観的(オプティミスティック)に考えるものだ。楽観的な人は失敗を恐れず、スポーツでも学業でも良い成績を修め、健康的であったりする。

ところでこの「楽観的」というのはどのようにして捕らえればいいのだろうか?

ウイルトンさんは「説明の仕方」の差で見分けることを述べた。

例えば何か悪いことが起きたとき、それが一時的なものと考えるかいつまでも続くと考えるか、特有な事柄と考えるか普遍的な事柄と考えるか、前者が楽観的な考え方であり、後者が悲観的な考え方ということになる。

逆に良いことについては楽観的な考え方はいつまでも続く普遍的なものととらえ、悲観的には一時的で特有なものととらえる。

具体的な事柄で言えば、「ボクは記憶力が悪いんだよね」というのは悲観的考え方にあたり「時々人の名前を忘れちゃうんだよね」というのは楽観的考え方ということができる、ということだ。

「楽観的」というといい事ばかり考えたり、時としていやなことには目を向けないというふうに考えられたりするが、ここでは少し違う捕らえ方をしている点に注意して欲しい。

そして子供たちに、話し方や考え方の楽観的あるいは悲観的なものの違いを理解させるようにしよう、とウイルトンさんは語る。

ところで楽観的な子供、悲観的な子供というのは大体小学校3年生くらいで色分けがはっきりし始める。その色分けに決定的に関わるのが親たちだ、とウイルトンさんは言う。つまり親が悲観的な物言いばかりする場合、子供もそういう傾向に傾き、楽観的な考え方をする場合、子供もそのようになっていく。

つまり、親である自分が普段どんな話し方をしているのか、それをチェックしましょう。子供といっしょに、楽観的考え方が習慣となるように不断の努力をしましょう、とウイルトンさんは語っている。

長くなったが、ここまでが講演の3分の1。

さて我が子の話し方や考え方をもって楽観的であるとか悲観的であるとか判断するとか、楽観的考え方を習慣化するようにトレーニングするといっても、人が何をどのように考えているのかを判断するのは容易なことではない。実際、何か起きたことに対して前向きに考えたり後ろ向きに考えたりというのは同時に発生するわけだし、それが口に出されるのはわずか10%にも満たない。

そこで考え方の判断やトレーニングのために単純化したABCというパターンを導入する。

AはAdvanced event、つまり前もって起こったことだ。

BはBelieve、つまり起こったことについてどう思ったか、信じたかということ。

そしてCはConsequence、信じたことで敷衍される結果だ。

例えばA「友達同士がひそひそ話をしている」、B「きっと自分の悪口に違いない」、C「明日にはその悪口が広がって自分が笑いものにされるんだ。悲しい」といった具合。

Cが楽観的になるか悲観的になるかはBによって決まる。まずそのことを理解しましょう。

そしてBのパート、つまり思うこと信じることが前向きなのか、誇りに思うことか、そういう目で見、伸ばすようにしましょう。

ここまでが講演の3分の2

ところでAがいいことでない場合、Bが後ろ向きになってしまうことは往々にしてあることだ。例えばA「友達がひそひそ話をしている」、B「きっと自分の悪口に違いない」といったようにだ。

さてそこで新たにDとEを導入する。

ひそひそ話の例で言うと、C「明日にはその悪口が広がって自分が笑いものにされるんだ」に対して、Dは「いやもしかしたら誰もその悪口を本気にとらないかも知れない」とか「笑いものにしてきたらこんな風にしてやろう」とか「でもそれがどうした」と考えるとか、そういうことだ。

DはDefence Dogつまり番犬のDだとウイルトンさんは言う。つまり、他のことを考え見たり、対策を考えたり、証拠(?)を探したり、ひらきなおったりする。そうすることでE(何のEだろう、EagleのEとしか記憶にないのだけれど)つまり更に敷衍される結果は楽観的なものに変わる。

そして楽観的考え方を見につけるために、次のようなゲームを子供たちと一緒にやってみよう。

ゲームは2人以上、5人まででやる。

まずAlligator(ワニ)、Bee(ハチ)、Crab(カニ)、Dog(犬)、Eagle(ワシ)の絵を描いたカードを用意する。

これをよく切ってみんなに配る。

ワニの絵を持っている人がまずよくない出来事を話す。

ハチの人がそれについて思うこと、信じることを話す。

カニの人はそこから敷衍される結果を話す。出発点がよくない出来事なのでだいたいマイナスの結果になる。

そこで犬の人が「番犬」の話をする。

最後にワシの絵の人がそこから新たに敷衍される結果を言う。プラスな結論になるかどうかがポイントだ。

これを毎夕食後にやってごらんなさい、必ず楽観的考え方が身に付き、習慣化されるはずですとウイルトンさんは語る。

とまあ、長くはなったけど2時間の講演で以上のようなことが語られた。

毎日ウイルトンさんの言うゲームにみんなを巻き込むというのは難しそうだが、いや一回でもやってくれそうにない、と悲観的なことを言うわけだが、自分のものの言い方についての実践は直ぐにでもできそうだ(「番犬」だな)。

いつも「そんなことできない」とか「無理だ」ばかり言う我が家の長男君だが、ABCとかABCDEのパターンはうまく応用して「できるかもしれない」や「なんとかなるかも知れない」に向けることもできそうだ。

早速にでもトライしてみよう、と思った講演でした。