サンノゼ空港が手荷物検査に優先レーンを検討2005年12月01日 09:38

本日付San Jose Mercury News 1A面、"S.J. AIRPORT PLANS FAST-PASS SECURITY"から

9・11のテロ以降しばらくの間、どこの空港の手荷物検査も長蛇の列であった。サンノゼのような小さな空港でも例にもれず時として1時間ほど待たなくてはいけないこともあった。今ではそれも昔の話で、10分以上待たされた記憶がない。

ところでこの記事によるとサンノゼ空港では、事前の申請でセキュリティチェックに通った人に通行パスを発行し、パスを持つ人専用の手荷物検査システムの導入を計画していることを発表したそうだ。FAST-PASSというのは有料道路の無線チェックイン・アウトシステム、日本のETCに相当するシステムで、記事のタイトルはこれになぞらえて言っている。

提案システムではまず個人が通行パスの発行申請を行う。発行手数料として79.95ドル(年額)を支払う。申請者は更に空港に立ち寄って本人確認をしなくてはならない。その際に指紋と虹彩の像を取られる。次に申請者のバックグラウンドなどが交通省のもとで確認される。この審査が通ると個人宛に”問題なしカード(Clear Card)"が発行される。 この”問題なしカード”を提示すると、手荷物検査で優先レーンが使用できるほか、靴を脱いだり、ラップトップPCをかばんから出したりなどという煩雑なことはしなくても済むらしい。

犯罪者のような扱いから逃れるための値段が79.95ドルというのは微妙だな。

米国内を頻繁に飛び回るビジネスマンがよく利用するほかの空港でも、同じ”問題なしカード”が使えるのであれば、このシステムも受け入れられるのではないだろうか。しかし現在のところ、このシステムを運用しているのはフロリダのオーランド空港一港だけで、それも試験運用なのだそうだ。また同じシステムの試験運用がこの9月までロス、ヒューストン、ボストン、ミネアポリス、ワシントンDCで実施されており、現在は運用を終了し評価しているところなのだそうだ。

試験運用が終了した空港での結果については記述がないが(あまり受けなかったのではないだろうか)、オーランドについては好評で、1万人以上が登録し、98パーセント以上の人が運用の継続を望んでいるらしい。オーランドといえばディズニーワールドの玄関口。空港はだだっ広いし観光客でもごった返すので、ビジネスユースにはさもありなんという気もするが。

ところで”問題なしカード”の不正利用の防止策についてはどうかと懸念されるが、記事にはそれについての具体的な説明はない。しかし、カード所持者はセキュリティチェックポイントを通る際に、指紋と虹彩のチェックを受ける必要があるらしく、それを持って本人確認を行うようだ。ただオーランドの運用例では、カード所持者のセキュリティチェックポイントの通過時間が約14秒ということで、本人確認方法がかなり簡素に実現されているのではなかろうか。カードの偽造が比較的容易にできるシステムになっているのではと、個人的には懸念する。

また、同システムの構築には様々なITメーカーが興味を示していて、各社のシステムでの互換性の保持も今後の検討のようだ。

さああなたは、このようなサービス、どのように受け止めますか?利用してみたいですか?

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