活動家が子供たちのために声をあげる ― 2006年01月05日 21:06
本日付San Jose News 1E面、"Activist lifts her voice for children"から
ちょっと今日はE面という、今まで取り上げたことのなかったところの記事から。San Jose Mercury紙のE面は芸能欄に相当する。
いやだけどね、こういう話題をとりあげるとね、ウチのかみさんなんか「いかにもおやじオタクが好きそうなアイドルだよね」なんて言うんだよね(実際言ってたし)。「好きだったんでしょ、ホラ。早見優とか、アグネス チャンとか...」って。
いや、そうだよ。悪かったね。
で、そのアグネス チャンの話題なのよ。
記事によると、アグネスが”Forget Yourself"というアルバムをバレンタインデーにUSで発売するんだそうだ。これはエチオピアやイラクなど、戦乱の中にある子供たちに思いを寄せた歌のアルバムなのだそうだ。
「私は子供たちが私の目の前で死んでいくのをこの目にしました。」
「子供たちはそれぞれの国の中で、まるで武器のように扱われています。私はこのアルバムを通じて、そういう子供たちは決してテレビの作り物語ではなくて現実なのだということを多くの人に知っていただきたいと思っています。」
記事にはアグネスの経歴が細かく紹介されていて、14歳でレコードデビューしたこと、1980年代には社会活動に参加するようになり、UNICEFの親善大使としてスーダンなど各国を回ったこと。また婦人や子供の権利についての活動も行い、最初の子供が生まれた時にそのまま働き続けたことで、「母親が働き続けること」に対する議論が沸き起こったこと(そういえば、そんなこともあったな)。
などが書かれている。
1994年にスタンフォードで博士号を取得し、現在51歳、3児の母 だって。
えー、そんな歳なんだっけ、3人も子供がいたのか。知りませんでした。
アルバムをUSで出すことについて、
「私は私のメッセージを本当に多くの人に知って欲しいと思いました。それでアメリカで出すことに決めたのです。世界の人はやっぱりアメリカに注目していますからね」
ということだそうだ。
またアルバムの中では、ジャッキー チェンとのコラボレーションもあるそうだ。
うーん、なかなか興味津々
by takablo [社会] [コメント(0)|トラックバック(0)]
子供を一人にしてもいいときとは? ― 2006年01月06日 19:02
本日付San Jose Mercury News 1A面”WHEN CAN YOU LEAVE YOUR CHILD ALONE?"から
アメリカでは、大人の子供に対する義務というのはとても厳しい。
例えばスクールバスが停車して子供たちが乗り降りしている時には、他の車は両車線とも停止して待っていなければいけない。
例えば、子供をたたいたりすると、それが我が子をしかっている場合でも、”幼児虐待”で罪に問われることがある。
そして、子供だけで一人にしておくと親の管理責任が問われることがあるのだ。
1月4日のTVのニュースでちょっとあきれるような出来事が報道されていた。親が10歳と5歳の子供たちを家にほっぽらかして、ラスベガスに遊びに行っていたというので逮捕されたというのだ。30日の朝、まだ子供たちが寝ている間に家を出て、ラスベガスで新年の花火などを見て楽しんでいたそうだからあきれる。この両親は現在はブタ箱にぶち込まれているらしい。
どうも、子供たちと父親は血がつながっているそうだが、子供たちの血のつながった母親の方は病死して、最近再婚したばかりの継母だったようだ。
継母だから子供たちを疎外したなんていいたくは無いけれど、それにしても普通なら子供たちも連れて行くよね。第一つかまるまで5日間もほったらかしなわけだし。
今日のSan Jose Mercury Newsの1B面を見ると、なんでも子供たちにとって母方の祖母に面倒を見てもらうように頼んだけれど断られたとか、その断りの留守録を手違いがあって受け取っていなかったとか、言い訳がましいことを言っているようだけど、そんなのは論外。
まあしかし我々なんかでも、「ちょっとそこまで買い物に行きたいな」とか思うことがあって、でも子供たちがまだ小さいしアメリカということもあるので結局車に3人を乗せてぞろぞろと出かける、なんてことはある。こんなとき「子供だけで留守番できればいいのにな」などと思うわけだ。
ん、そういえば長男君がまだ赤ん坊のときに、ベットに寝かしつけたまま「ちょっとそこまで」買い物に出かけたことがあったな。おっと、これは内緒の話だ。
さてそれでこの表題の記事なわけだが、一般的には子供が12歳あるいは13歳になれば一人で居てもいいし、親なしで小さい子の面倒を見てもいいと言われているが、法律的にはそうした年齢制限のようなことは明記されていないそうだ。
サンタクララ郡の検事補カーリン シヌヌ氏によると「一人だけにされた子供が危険にさらされているかどうかが罪に問われるかどうかの基準だ」ということだ。つまり10歳の子であっても、その子が十分自立していて自分のことができ、また親からもきちんとしつけがなされていれば、少なくとも親に責任が問われて逮捕されるなどということはない。
また、San Jose警察の話によると、子供を一人にしたということで罪に問われるケースはめったにないそうだ。
しかしそれは子供だけで居させるケースが滅多にないということではなくて、実際には結構あるらしい。両親とも働きに出ている家庭も多く、仕事の都合で両親とも家におらず、止むをえず子供だけで居るというケースは実際にあるのだと、サンフランシスコのカフィアダ大学で児童保育を教えているアナ フェルナンデスさんは述べている。
確かに、我が子の学校でも10歳の子が親の付き添いなしに一人で登下校していたり、いわゆる「鍵っ子」だったりする子も何人かいるようだ。日本では当たり前のように見えても、アメリカではちょっと驚く。
記事にはこんな話も紹介されている。
サンノゼ警察がある朝、4歳の子供が一人道端で泣いているという電話を受けたのだそうだ。行って見ると6歳と2歳の兄弟がいて、子供たちだけで家に居るのが見つかった。
その家庭は27歳のシングルマザーがいて、その時間母親はサブウェーレストランで講習を受けていたのだそうだ。母親は6歳の子供に事情を説明して、朝起きたらおばに連絡するようにと言いつけておいたのだそうだが、それより先に4歳の子が起きだして外に出てしまったらしい。
クリスマスの前のことで、母親は2つの仕事を掛け持ちでやっていたそうだが、子供たちには今年のクリスマスプレゼントは無いことを伝えていたらしい。
かなり生活に苦労していたようだ。
この母親は警官に逮捕されるというようなことは無かった。むしろ警察官同士ポケットマネーを出し合って子供たちへのクリスマスプレゼントを贈ったのだそうだ。
by takablo [社会] [コメント(0)|トラックバック(1)]
レーダシステムで太平洋のパルスを収集 ― 2006年01月08日 23:14
本日付San Jose Mercury News 1A面、"Rader system taking pulse of the Pacific"から
メキシコからオレゴン州まで1700Kmもの海岸線に渡る大プロジェクトが進行しているようだ。
沿岸にレーダーシステムを設置し、海流をモニターしようというのだ。
モニターの仕方は気象観測における雲の動きの調査と同じだ。気象観測ではレーダから放射された電波の反射を受信して大気の流れる方向とスピードを調べる。
海流調査では電波を向ける先が海の表面になる。
約4mの高さのレーダが20マイル(約32Km)ごとに57箇所に設置され、TVの送信波で使用しているのと同じような周波数帯の電波を常時海に向けて放射し、海流をモニターするのだそうだ。その結果は即座にコンピュータに集計され、インターネットでも見ることができる。
既にサンディエゴやサンフランシスコの沿岸、あるいは大西洋のメイン州の沿岸などでも同じようなシステムが稼動しており、その結果は次のサイトで参照できる。
実際見てみると、メイン州の結果で表示される時刻情報はほとんど現在時刻であることがわかる(現地時間表示なので、時差に注意!)
このシステム、構築に2100万ドルを費やし、2009年までに完成の予定なのだそうだ。構築費用は複数の研究機関で分担するそうだ。
海流が分かると何がうれしいのか?
例えば海流に乗って成長していく魚たちの幼魚が、実際どのように分布していくのか、といったことがわかるそうだ。カリフォルニアの沿岸はラッコの記事でもお伝えしたようにいろいろな場所が漁業禁止区域に指定されているが、幼魚の分布が詳しくわかれば、より効果的な保護地区の指定をすることができると考えられている。
あるいは船などが難破し油が漏れ出した場合に、それがどのように分散していくかを事前に予測することができる。
あるいは遭難して海流に流されてしまった人が、どこに流されてしまうかを予測することもできる。
いろいろな応用が期待できるようだが、それより何より海洋学者の意識として、人の海の物理現象の知識は、陸地に比べて10年遅れている、と考えられているそうだ。
そこでこのプロジェクトには大きな期待が寄せられているようだが、解決しなければいけない問題もいろいろあるようだ。
まず構築できたとして、その後の運用には年に200万ドルもかかるそうだ。
また構築を進めるについても、実はいくつかのアンテナ設置予定地について、周辺住民の理解を得られていない場所もあるそうだ。
もちろん、予算どおりにできるかどうかという問題もある。
それらの問題はあるにしても、研究者たちはこれを更に拡張したものも考えているようだ。例えばこのシステムで海の表面の海流をモニターし、また船の底や潜水艇につけたモニターで海の中の流れを調べてそれを立体的に表示させる。
”君の手元のパソコンで海の表面の動きが見れて、そのまま飛び込んで海の中の様子も見ることができる。面白いと思わないかい”みたいなことを言ってるけれど、どうかな?
まあとにかく、こんな風に、研究者たちだけのものにしないで、一般の人にも関心が向くような表示とか情報提供ができれば、例えばそれに広告などをつけてビジネスになるかもね。いや結構面白いものができそうな気もするんだけど。
by takablo [社会] [コメント(0)|トラックバック(0)]
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